ディスコジェニック細胞とは?


ディスコジェニック細胞とは、椎間板変性の複雑な状態に対応できるように製造された治療用前駆細胞のことです。

製造について

特許技術である細胞培養方法でドナーから採取した椎間板組織細胞はまず、最終分化細胞の一歩前の前駆細胞状態に戻されます。次に、治療に対応できるように前駆細胞を加工し、最後に溶媒と結合した状態で凍結保存されます。

ディスコジェニック細胞はcGMP(Current Good Manufacturing Practice:現行適正製造基準)で製造され、その同一性、純度、有効性、安全性は厳しく評価されます。

私たちはこれまでに数十回の比較試験を成功させ、試行錯誤を重ねた結果、現在はたった1人のドナーから何千回分のディスコジェニック細胞を作れるまでに製造を進化させました。

 

メリット

数多くの細胞治療がある中で、なぜディスコジェニック細胞にこだわるのか。

それは変形した椎間板組織が大変複雑な状態にあるからです。従来の骨髄や脂肪細胞由来の細胞を使った治療法では、治療用の細胞をまず椎間板組織の複雑な環境に適応させなくてはなりません。

一方でディスコジェニック細胞は椎間板細胞由来なため、そもそも椎間板の環境と働きを「知って」います。そのため、椎間板組織への対応力を備えながら、細胞間葉幹細胞独特の再生作用・抗炎症作用を発揮できる、万能な治療用細胞と言えるのです。

これがディスコジェニック細胞を使う、最大のメリットです。

IDCTの治療

ディスコジェニック細胞を初めて活用したのが、椎間板細胞治療用注入剤(以下IDCT)です。

IDCTは他家(ドナー由来)細胞療法で、軽度から中度の椎間板変性を対象にフェーズII/フェーズIII相臨床試験を行っています。

IDCTは痛みを発生させている患部に皮膚の上から注射をする簡単な処置なため、手術を必要としない治療法です。

前臨床段階では椎間板変性の痛みの軽減と腰の機能改善が確認されています。

注意:IDCTは現在開発段階のため、人への投与は 医薬品医療機器総合機構(PMDA)に承認されていません。

 

前臨床試験の結果

前臨床試験ではIDCTの安全性、活用性、そして長期間にわたっての細胞維持が確認されています。

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実証された安全性

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確かな回復率

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優れた修復力

パイプライン

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知的財産

ディスクジェニックス独自の細胞単離と製造プロセスは24の特許を獲得しています。現在はさらに15の特許を出願中です。

出版物

 

椎間板変性(症状有)対象の細胞治療であるIDCTの 安全性と効能性の臨床試験結果

2019年2月

2019年整形外科研究機関年次総会にて発表

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研究から見抜く椎間板再生の臨床細胞治療の前進にむけて:整形外科研究機関の推薦

2018年12月

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椎間板変性を誘発したイヌへのディスコジェニック細胞(凍結保存状態)移植

2018年6月

jsp2.2018.1.issue-2.cover.jpg
 

ヌードマウス皮下に移植された椎間板由来前駆細胞 (ディスコジェニック細胞)の評価

2018年3月

2018年整形外科研究機関年次総会にて発表

DiscGenics ORS 2018 Athymic Mouse Model
 

ウサギにおける椎間板由来前駆細胞を使った   椎間板変性治療の安全性と生物活性(GLP調査)

2018年3月

2018年整形外科研究機関年次総会にて発表

DiscGenics ORS 2018 Rabbit Model
 

椎間板変性の新たな細胞治療の細胞生着の査定: 異種由来と同種他家由来細胞の考慮事項    (ブタモデル)

2016年3月

2016年整形外科研究機関年次総会にて発表

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椎間板変性対象の新たな細胞治療の冷凍保存が生体外と生体内有効性及び安全性にもたらす影響   (ウサギモデル)

2016年3月

2016年整形外科研究機関年次総会にて発表

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治療的可能性をもつ椎間板組織由来(ヒト)の新たな前駆細胞の特性

2016年6月

2016年国際幹細胞研究会議(ISSCR)にて発表

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椎間板変性治療用細胞の生存性、有効性、及び生体内での効能性:新鮮状態と凍結保存した場合の比較

2015年5月

2015年米国遺伝子治療学会議(ASGCT)にて発表 

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椎間板変性対象の新たな細胞治療における服用量と凍結保存の影響 (ブタモデル)

2015年3月

2015年整形外科研究機関年次総会にて発表

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